【7/4(土)・大阪】映画『揺さぶられる正義』上映会&シンポジウム ―SBS・AHT問題の今とこれから―
大阪弁護士会刑事弁護委員会とSBS検証プロジェクトの共催で、上田大輔監督の映画『揺さぶられる正義』の上映会&シンポジウムを開催いたします。参加費は無料です。皆さま、ぜひお越しください。 2026年3月。わずか10日の間に、福岡・宇都宮・大阪で3件のSBS・AHT事件で無罪判決が言い渡され、さらに3月3日には今西事件の検察官上告が最高裁で棄却され、無罪が確定しました。「虐待」という疑いをかけられ、家族が引き裂かれてしまった空白の時間――。科学と司法が向き合うべき真実とは何か。いま、ともに考える機会としたいと思います。 第一部の上映会では、映画『揺さぶられる正義』(129分)を上映します。本作は、関西テレビ記者であり弁護士でもある上田大輔監督が、SBS冤罪に翻弄される家族の苦闘と、それを支える専門家の姿を追った渾身のドキュメンタリーです。本年5月にはドイツ国際映像祭「ワールド・メディア・フェスティバル2026」ドキュメンタリー人権・社会正義部門での金賞受賞に続き、先日のブログでもご報告したとおり、ニューヨークフェスティバル TV&フィルムアワード(映
5月25日
映画『揺さぶられる正義』ニューヨークフェスティバル銀賞受賞のお知らせ
上田大輔監督の映画『揺さぶられる正義』が、ドイツでの受賞に続き、ニューヨークフェスティバル TV&フィルムアワード(映画・長編ドキュメンタリー部門)で銀賞を受賞しました。心よりお祝い申し上げます。 本作は、上田監督が記者として8年にわたり積み重ねてきた調査報道の集大成です。「揺さぶられっ子症候群(SBS/AHT)」を理由に、ある日突然「児童虐待の加害者」として疑われ、逮捕・起訴された方々——その当事者とご家族が、長い時間をかけて無実を訴え、ようやく無罪判決にたどり着くまでの歩み。本作は、その一人ひとりの人生に静かに、しかし確かに光を当てたドキュメンタリーです。 そして本作は、私たちSBS検証プロジェクト(SRP)の活動の記録でもあります。SRPは弁護士・研究者・医師らとともに、SBS/AHT仮説を医学的・法的に検証し、冤罪を生まない刑事司法のあり方を問い続けてきました。近年では今西事件の無罪確定、福岡・宇都宮・茨木の各無罪判決など、その積み重ねは確かな流れとなりつつあります。 本作の受賞を、当事者・ご家族と、共に歩んでくださってきたすべての方への
5月22日
宇都宮地裁でも無罪判決!-またしても外力の立証を否定(内因の可能性)追記:弁護団声明
2026年3月10日、宇都宮地裁で、2018年3月31日ころ、当時生後7か月の男児の頭部に外力を加えて死亡させたとして、傷害致死罪で起訴されていた父親に対し、無罪判決が言い渡されました(裁判員裁判 裁判長 兒島光夫、陪席裁判官 高島由美子、岸こころ)。 この事件では、検察官側医師証人として5名、弁護側医師証人として2名の尋問が実施されていました。検察側医師は、男児の解剖の結果、顕微鏡で延髄を含む脳に複数の出血が認められたことから、これらは外力による出血(破綻性出血)であり、男児は「延髄損傷を含むびまん性脳損傷」によって亡くなったと証言していました。要するに、男児の死亡原因は、頭部に加えられた外力だというのです。 これに対し、弁護側医師は、顕微鏡で確認されたとする「出血」は、内因による出血(死戦期の漏出性出血)、解剖や標本作製時にできる人工的な産物(アーチファクト)等がほとんどである上、非常に微小なもので心肺の中枢とも離れた位置にしかないことなどから、死因になるとも言えないと証言しました。要するに、男児に外力が加えられたことが原因とは言えない、
3月10日




福岡地裁無罪判決の意義――医学的立証の限界と刑事裁判
福岡地方裁判所は本年3月、生後約11か月の長女に暴行を加えて死亡させたとして傷害致死罪に問われた母親に対し、無罪を言い渡しました。本件の最大の争点は、被告人が故意に強い暴行を加えたのか、それとも被告人のてんかん発作に伴う落下等の事故であったのかという点にあり、医学的所見の解釈が激しく対立しました。 検察側の医師、特にこれまでも検察側証人として何度か法廷に立ってきた脳神経外科医のB医師は、受傷後約2時間で脳幹・小脳を含む著明な脳腫脹が生じていること、大後頭孔付近の骨折、後頭部の皮膚変色、脳幹部の橋出血や網膜出血などを根拠に、後頭部下側への強い外力、さらには複数回の暴行があったと主張しました。特に、大後頭孔という厚い骨が骨折している以上、強い外力が必要であると述べ、皮膚変色も打撲痕であると評価しました。 これに対し弁護側医師らは、脳腫脹の進行速度や程度から外力の強さを推定することはできないと指摘しました。家庭内の比較的弱い外力でも早期に脳幹腫脹は生じ得るとし、大後頭孔の「骨折」に見える所見も、乳児特有の未骨化軟骨結合(PIOS)の裂開にすぎない可能性
3月4日
大阪弁護士会人権活動奨励賞 会長特別賞受賞のご報告
2025年末、SBS検証プロジェクトは大阪弁護士会の人権活動奨励賞「会長特別賞」を受賞しました。弁護士会から、私たちの活動に対して公式の評価をいただいたことは大きな喜びであり、これまで当プロジェクトで活動してきたメンバーあるいは当プロジェクトの活動に様々な形でご協力をいただいてきた皆様にとって何よりの励みとなりました。 本賞は、子どもに関わる事件の分野で、最新の科学的知見を丁寧に検討し、司法手続の中で適切に活かすことで当事者の人権を守ろうとしてきた取り組みに光を当てるものです。私たちは、個々の弁護活動を支援するとともに、研究者や医療関係者との対話を重ね、証拠評価のあり方について継続的に発信・啓発を行ってきました。そうした地道な積み重ねが、弁護士会および社会から一定の理解を得つつあることを実感しています。 事件記録を精読し、鑑定書や諸検査記録、画像所見などの医学的に専門性の高い証拠資料に向き合う作業は容易ではありませんが、私たちは「分からないことは分からない」という現状認識に正直であること、そして「分からないことが分かったかのように扱われているので
2月16日


【開催お礼】シンポジウム あらためてSBS/AHT仮説を問う「医学と司法のはざまで生まれつづけるえん罪」
2025年10月25日開催のシンポジウムには、多くの方にご参加をいただき、会場はほぼ満席となりました。刑事裁判に関して、医学と司法それぞれから課題を示す充実した内容になりました。 ご参加くださった皆様、また開催に協力くださった各団体に心よりお礼申し上げます。 登壇者・参加者との記念撮影 [参考] カンテレ「揺さぶられっ子症候群」事件の裁判を医学的に検証 東京で開かれたシンポジウムに登壇した弁護士『疑われた側が立証する構造に問題』専門医「不十分な情報での鑑定に懸念」
2025年10月29日


