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今西貴大さんの無罪確定!ー検察官上告棄却

  • 3 日前
  • 読了時間: 5分

更新日:2 日前


 昨日の福岡の無罪判決に引き続き、SBS/AHTをめぐる事件で無罪確定のニュースです。

 最高裁第三小法廷は、2024年11月28日の大阪高裁逆転無罪判決となった今西事件について、2026年3月3日付けで検察官の上告を棄却しました。これにより、今西貴大さんの全面無罪が確定します。

 以下、今西さんのコメントと、弁護団の声明です。


今西さんのコメント


無罪確定にあたって


 7年以上ものあいだ置かれていた被告人という立場から、ようやく解放されました。

 いまは、ほっとした気持ちで胸がいっぱいで、言葉も見つかりません。


 大阪高裁で無罪判決が言い渡された後も、検察官の上告により、被告人という立場に置かれ続けました。当事者として、制度がいかに残酷で非情であるかを実感しました。

 5年半の勾留を経て控訴審の判決前にようやく保釈されましたが、いくつもの厳しい条件が付されました。無罪判決によってようやく保釈条件がなくなり、これまで多くの冤罪被害者やその家族の方々と接する機会がありました。人質司法や冤罪が、多くの人生を破壊していることを強く感じています。

自分の事件が確定しても、これで終わりではありません。


 当事者になったからこそ見えてきた、司法制度のひずみもありました。

 明日からはまた、晴れやかな気持ちで法律家になるための勉強を続け、一人でも多くの人を支えられるような弁護士になろうと決意を新たにしています。


 ここまで、多くの方が力になってくださいました。

 弁護団の川崎拓也先生、秋田真志先生、西川満喜先生、湯浅彩香先生、川崎英明先生、イノセンス・プロジェクト・ジャパン、国民救援会、大谷財団、SBS検証プロジェクト、そして、これまで支援をしてくださったすべての皆様に、心より御礼申し上げます。


今西 貴大


弁護団の声明

今西貴大さんの無罪確定について


 最高裁第三小法廷は、昨日3月3日付けで、いわゆる今西事件に対する検察官の上告について、「上告理由に当たらない」として棄却する決定をし、今西貴大さんの無罪が確定することになりました。まずは、7年以上にわたり被告人の立場に置かれ続けた今西さんの無罪が確定することに、弁護団として心から安堵しています。

 2024年11月28日に言い渡された控訴審判決は、証拠及び医学的知見を丁寧に検討したうえで導かれた極めて妥当な判断であり、その結論が維持されたことは当然であると受け止めています。

 無罪確定に至るまで、2017年12月のAちゃんの急変から約8年、今西さんの逮捕から約7年、2024年11月28日の控訴審逆転無罪判決からでも約1年3か月の期間を要し、そのうち約5年半、今西さんは無実の罪によって、身体拘束を受けていたことになります。

 本件では、上告理由がないことが明白であるにもかかわらず、面子のみにこだわったかのような検察官上告がなされました。その検察官の姿勢は許しがたく、大きな批判に値します。上告により無罪確定が引き延ばされ、今西さんは被告人という立場に置かれ続けました。普通の生活を送りたいと望む今西さんの思いは踏みにじられ、多くの不利益を甘受せざるをえませんでした。海外での冤罪関連のイベントに出席したくとも、「被告人」という立場にあるだけで、パスポートが発行されることはありませんでした。定職につきたくとも、無罪判決が確定するまでは、腰を落ち着けて将来を考えることはできませんでした。だれといても、どこにいても、なにをしていても、頭から事件のことが離れることはなかったでしょう。

 本件は、日本の刑事司法が抱える典型的な問題を数多く含んだ事件でもありました。すなわち、証拠の不確かな傷害致死事件に加え、強制わいせつ致傷・傷害という他の事案まで訴追対象とすることで、有罪の印象を積み重ねる構図が作られ、さらに捜査機関の発表を十分な検証なく伝える報道によって、社会の中に有罪のイメージが広がりました。その結果、今西さんの名誉は回復困難なほど深く侵害されました。また、そのような有罪イメージの下で裁判員裁判が行われたことが、一審の誤った判断につながったことも否定できません。

 さらに、今西さんは一貫して無実を訴えていたにもかかわらず、否認を大きな理由とする身体拘束が長期化し、結果として5年半以上身体拘束が継続しました。これは、いわゆる「人質司法」の問題を象徴するものと言わざるを得ません。

 近年、いわゆるSBS/AHT事件をめぐっては、医学的知見の再検討が進む中で、各地の裁判所において無罪判決が相次いでいます。昨日も福岡地裁の裁判員裁判で無罪判決が出されましたが、本件も不確実なSBS/AHT仮説を根拠とした誤った診断と訴追がなされたことによる冤罪事件です。現在も全国各地で、SBS/AHT仮説を前提とした訴追や親子分離が続いていますが、そのうちの相当数において、本件や福岡地裁の事例と同様の誤った医学的診断と関係機関の判断が含まれていると考えざるを得ません。警察・検察はもとより、医学界においても、SBS/AHT仮説のゼロベースの見直しこそが求められているのです。

 日本の刑事司法の問題を象徴する本件が、科学的証拠の評価のあり方、捜査・訴追の適正、身体拘束の運用、そして報道の在り方を含め、刑事司法の全体について社会が真摯に検証する契機となることを期待します。冤罪や人質司法は、決して他人事ではありません。

 最後に、今西事件では、国民救援会、イノセンス・プロジェクト・ジャパン、先端的弁護による冤罪防止プロジェクトをはじめ、たくさんの方々のご支援を賜りました。検察官の上告を阻止すべく署名活動をした際にも、多くの方々がご賛同くださいました。この場を借りて、心から御礼を申し上げます。

               2026年3月4日

                主任弁護人 弁護士 川﨑拓也

弁護人 弁護士 秋田真志

弁護人 弁護士 西川満喜

弁護人 弁護士 湯浅彩香

弁護人 弁護士 川﨑英明

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