3月13日(金)茨木AHT事件も無罪!
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更新日:4 日前
3月3日福岡での無罪、今西事件の無罪確定、3月10日の宇都宮での無罪と続いていますが、さらに大阪茨木AHT事件でも、2026年3月13日、大阪地方裁判所第5刑事部(裁判長裁判官三輪篤志、裁判官鈴木紫門、裁判官田崎里歩)は無罪判決を言い渡しました。詳細はまたご報告しますが、2021年3月に生後4か月の女児(Aちゃん)が、突然けいれんを発症し、搬送先の病院でSBSの三徴候(硬膜下血腫、脳浮腫、網膜出血)が認められたことから、母親の交際相手だった男性が暴行を加えて傷害を与えたなどと疑われて、傷害罪で起訴された事案です。
三徴候はあっても、他に外力の痕跡はなく、実際、男性にはAちゃんに暴行を加えるような事情は全くありません。そして、Aちゃんが発症していたてんかん・けいれん重積は、時として重篤な呼吸不全・循環不全にいたり、突然死にもつながる深刻なものです(Sudden Unexpected Death in Epilepsy=SUDEP 「てんかんにおける予期せぬ突然死」と呼ばれます)。ですから、てんかん・けいれんを発症した赤ちゃんに対しては、一刻も早く呼吸管理などの治療が必要とされています。ところがAちゃんは、発症後すぐに男性の手によって病院に搬送されたにもかかわらず、約2時間半にもわたり、何らの治療も受けなかったのです。その間にAちゃんには呼吸不全があり、深刻な低酸素脳症に陥ったことは間違いありません。そして、低酸素脳症から三徴候が生じうることは、海外では多数の医学文献で指摘されています(例えば、Keith Findley ら編著 ”Shaken Baby Syndrome ―Investigating theAbusive Head Trauma Controversy " Cambridge University Press 出版 2023年)。しかし、日本の医学界では、そのような指摘は十分に知られておらず、ほとんど検討すらされていません。その結果、三徴候があると、今なお外力が原因だと決めつけられることが多いのです。改めて報告しますが、むしろ近時でも、旧態依然のSBS/AHT仮説を、盲目的に前提とするような議論が展開される例もみられます。
茨木AHT事件の裁判では、原因を外力だとする検察側医師証人8名(Aちゃんを直接診察した医師3名のほか、救命救急医、脳神経外科医、放射線科医、脳神経内科医、眼科医の5名)に対し、検察側医師の証言に疑問を投げかける観点から弁護側医師証人5名(脳神経外科医2名、脳神経内科医1名、放射線科医1名、眼科医)の証人尋問等が実施されました。その結果、判決は「(検察官提出証拠による)本件各傷害の推認力は限定的であり、検察官の主張する他の事情を含め総合的に評価しても、A に生じた低酸素脳症や頭蓋内圧亢進によって本件各傷害が生じた可能性を否定できず、被告人がAの頭部に衝撃を与える暴行を加えた事実を認めることはできない」としたものです。海外も含めた新たな医学的知見に基づいた、きわめて正当な判断です。
実に、2026年3月になって4件目の無罪判断となります。医学界や訴追機関(警察、検察),
児童相談所でも、SBS/AHT仮説が未だに根強く暴力的な外力=虐待認定の理由にされていますが、そのような認定には構造的な欠陥があることが明らかです。ゼロベースでの見直しが迫られています。



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